「うみねこのなく頃に」に見る若者のモラトリアム

うみねこのなく頃に散 Episode8:Twilight of the golden witch 9巻 (デジタル版ガンガンコミックスJOKER)

 

 「うみねこ」に登場する多くの若者(子世代etc)は、青年期特有の正義心、自己アイデンティティの探索、そして純粋がゆえの無責任さにあふれている。

 

 ここでは、作品の主人公である「戦人」を例に、「うみねこ」と「若者のモラトリアム」を論じる。

 

 

※本記事はEP1-8まで読み終えた個人の、印象論的な感想で書かれています

※本記事には大量のネタバレが含まれています

 

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PCゲーム『ROSE GUNS DAYS』フィリップ・バトラー個人史考察年表+ツイートまとめ

「フィリップ・バトラー大尉」という人物の個人史を、いちファンが考察・推論して作成したもの

 

 公式に設定されているもの、確実な情報源がある部分は出典も添えて明記

 読んだ本を参考に素人が考えたものであり、史実部分の情報の正確性に関しても保証はできません

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※架空の作品を考察するために、史実の出来事を関連付け、挙げているだけなので、実際の出来事に対する肯定/否定/批判の意図は全くありません。

※誤認識・問題点などあれば、ご指摘いただけましたら幸いです。

 

 

<以下はTwitterで話した考察のまとめ>

 

 フィリップ・バトラーのココがすごい話!

まず作画がすずじろ先生で美麗。イケメンで顔が良い。

あの若さで大尉は異例。特権+賄賂で高収入。高身長。

バイリンガルの知識人で日米双方の主張を理解できる。

家族想い。そしてなにより料理ができる!

 

 大尉がすごいのは、手持ちのカードが最強揃い、

だけど迂闊にそのカードを切ると自分も道連れなので、
「俺の手持ちは怖いぞ!」という「脅威」を上手くハッタリかけて、懐に入って、
相手に「勝負をさせない」選択をするように誘導できるところ。

(向こうは、自分の意思で決断したと思い込むので、この辺りの匙加減、王さんにとても似ている。)

 つまり、(自己)利益が優先の人は、勝つ負ける以前に「懐柔」させられる。
脅威がある「可能性」が存在する時点で、闘うリスクより味方につける方が、楽!
というところに、旨い話を持ちかけて完成。これが大尉の寝技マジック。

 

 ・バトラー大尉のS1での働き。
まずプリマの後盾になって、彼らの権力を拡大=23番市内マフィアを鎮静化。
怒った業者のプリマに対する営業妨害を事前に阻止。
ケイレブ狙撃で彼を誘導して玉砕を阻止&プリマへの疑念を持たせて共倒れを狙う。
マクダウェルとローズを引き合わせて、特別枠を手に入れるお膳立て。
全部彼の単独行動ー!

 

 なんとなく妹の話とかがあるだけで、詳しい過去も、それに対しての感情も「一切が語られない」
大尉に対してドライというか、読者の想像に任せた、含みをもたせる本編のあの感じが好きです。
 なにも語らず語られず、謎が残っているからこそ映えるというか!
 それでも好きだから、ついつい考察推論したくなっちゃうけど!

映画メモ・すきな映画

「Filmarks」に書いていた映画の感想に、いろいろ追記。

 ネタバレなしで純粋に思った事。まとめそのいち。

 

登場人物の心の動きを観ていて、自分の抱えるなにかが晴れるような、

観終えたときに、心が軽くなった、穏やかになった作品。

 

 

  食わず嫌いってよくない!

 日本版の宣伝文やあらすじから、よくある「ライトな青春恋愛もの」だと思って避けていました。

 ぜんぜん違いました。ごめんなさい。

 

 想像していたよりずっと複雑で、登場人物それぞれが、心の内に「何か」を抱えていて。全員に共感できた。

 若いからこその危うさとか、傷だらけの感じが描かれてる。

 

 観たあと、何だかすっきりとした、心地良い気持ちが残った。

 映像としても出てくるけど、冬の綺麗な雪の中を歩くような。

 

 エマ・ワトソンがベリーショートで、ちょっとクレイジーな女の子を演じているのが可愛い!
 そしてエズラ・ミラーが、言うまでもなく最高。

 

 

  19歳という微妙な年齢をさまよう一人の「少女」が、「おとなの女性」になるまでを描いた、奥深いドラマ映画。
 ファッション、映像、音楽、主人公、ぜんぶ好み!大好き!お洒落!

 

 "I feel so special when I'm with him"

 「彼といると、とても特別な気分になるの」

 などなど、物語の端々にある台詞が心に染みる。

 

 お父さんと娘の愛情が描かれているのが涙腺にきました。

 主人公の苦しみ、つらさ、あらゆる感情に共感できる。


 現代のブログやSNS、「Ask Me Anything(○○だけど質問ある?)」文化がよく表現されてる。


 ラストシーンは、彼女がすべてを断ち切って自立した/大人になった、という「希望」を示しているのかな、と。

 

 

 「余命わずかな“自分”の幸せために何をするか?」ではなくて、

「残していく‟周りの人々”の幸せのために何ができるか?」という映画。

 

 余命があとわずかだからといって、劇的なことを主人公がしたり、起きたりするわけではない。
 主人公がリストアップするのは、今からでもできるような、些細なことばかり。

 

 淡々と流れていく作品、だけど、その静かさが心地いい。

 

 

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  ただの御涙頂戴になりかねない設定を、「過剰すぎない」表現で、現実的に、でも美しく描いている。

 「つらい現実」に何度も直面するし、現実の冷たさや厳しさを一切、美化してない。

 だけど、なぜか重たくない。すぐそばに希望がずっとある。

 

 アクション映画に出てきていた、強くて最強なジェット・リーは居なくて。

 彼はただ息子を大事に愛していて、幸せになって欲しくて、そのために全力。

 

 子を心配する親と、親の心子知らずな子ども。
 自立して欲しいけど、不安で心配で、離れたくない親の気持ち。

 

 観終わってみれば、どこにでもある普遍的な親子の物語。

  

 

 

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  危うくて儚げな美しさ。

 主人公の「性に対する無頓着さ」が不安定な感じを出していて、静かなつくりの映像が、心地よくも恐ろしい。

 

 スッキリや共感とは程遠いけど、淡々とした穏やかさのある作品。

 観ているあいだ、ずっと微睡んでいるような。

 

 ラストで、はっと目を覚まさせられる。